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今さら聞けない英語 語順を決めるのは動詞だ!!

2021年1月12日英語

英語においては、語順が大切であり、日本語とは語順の違いがあることを前回お伝えしました。それでは、その語順を決めている要素は何か。それは動詞と言われるものです。日本語と英語の大きな違いとして、英語はひとつの単語が複数の意味を持ちます。haveやmakeといった単語を辞書で引くと、20個ぐらいの意味が載っています。例えば、haveの場合、持つという意味だけでなく、犬を飼うという意味や、〇〇を食べるといった意味も持ちます。もともとのhaveが持つニュアンスから、様々な意味に解釈されるのですが、日本語の場合、持つと飼うと食べるは別々の言葉として扱われますから、ひとつの単語を複数の意味でとらえなければならないといった発想がでてきません。

しかし、英語では、同じ単語が使われていても、どの文脈で出てくるかによって意味が異なるのです。具体例をみていきましょう。

目次

次の5つの英語を訳してみよう!!

  1. He got to Tokyo yesterday.
  2. He got angry.
  3. He got a book.
  4. He got me a book.
  5. He got his children ready.

ポケモンgetだぜ!!

5つの英語はすべてgetの過去形のgotを使っています。getはポケモンgetだぜでお馴染みですので、中学生に聞くと手に入れると訳してくれます。そして、5個の英語の意味を次のように答えてくれました。

  1. 彼は昨日東京を手に入れた。
  2. 彼は怒りを手に入れた。
  3. 彼は本を手に入れた。
  4. 彼は私に本を手に入れた。
  5. 彼は、彼の子どもの準備を手に入れた。

最後などはいまいち意味がわかりませんが、getが手に入れるというところから考えてくれました。しかし、この5つの文章で手に入れたと訳すものはひとつもありません。強いて言えば、3や4は手に入れたと訳せないこともないですが、RPGゲームのように道端に本が落ちていることはおそらくないですし、仮に落ちていたからとそれをわが物としてしまった場合、占有離脱物横領罪という犯罪が成立してしまいます。したがって、3の場合のgotは買ったと訳すのが自然ということになります。

5つの文章は5文型に対応していた。

  1. 彼は昨日東京に到着した。  get to +名詞        SV  第1文型
  2. 彼は怒った。        get + 形容詞        SVC  第2文型
  3. 彼は本を買った。      get + 名詞         SVO  第3文型
  4. 彼は私に本を買ってくれた。 get + 名詞+名詞      SVOO 第4文型
  5. 彼は子供たちに準備させた。 get + 名詞+形容詞     SVOC 第5文型

5つの英語は、He got まではいずれも共通ですが、その後にくる要素が異なります。Vである動詞の後ろにCがくるのか、Oがくるのか、OOが来るのか、OCが来るのかによって、getの意味は違ってきます。この後ろの要素によってgetの意味を使い分けるように設計されたのが英語です。したがって、英語の辞書にはこの要素ごとに項目が立てられています。中学生や高校生に、辞書を引きなさいというと、その単語の部分を引き、自分が読んでいる英語の文章に一番しっくりきそうな意味を自由に選択します。うーん、何かこれっぽいと。

でもそんなものは英文解釈でも何でもありません。ただの勘による作文です。ある高校生に授業をしていた際、もしどの文型か迷ったら、訳してから文型を決めなさいと高校の先生に習ったと言っていましたが、もしそんなことを言う高校の先生がいたら、即刻話を聞くことをやめるべきです。塾のスタンスとして学校の悪口はご法度ですので、その時は、そういう考え方もあるかもしれないけどと取り繕うのが必死でしたが、訳から文型を決めるようなことは絶対にあってはなりません。

それぞれの単語の品詞が決まり、文型が決まるから、最後に日本語訳がついて来るのです。逆に言うと、文型が決められないことには、絶対に英語は読めないはずなのです。いや、読めている!!というあなた。それは気のせいです。何となくそれっぽい意味に合わせているだけです。だから、長文になると、後ろへ行けば行くほど、文章の意味を見失うのです。なぜなら、自分が訳したいように勝手に文章を作っているだけなのですから。

そして、動詞の後に来て文型を決める要素になるものは、名詞か形容詞の二つです。動詞の後ろで、名詞か形容詞を発見した場合、文型に変化をもたらしますので要注意です。そして、その名詞や形容詞がどういう順番で出てくるのかにも決まりがあります。それがつまり語順です。

これを類型化したものが、「5文型」と呼ばれるものです。したがって、文型を理解しており、文型の判別がつけば、自ずと動詞の意味が決まり、その動詞の意味から導かれるように、その後ろの要素の意味も決まってくるのです。こうして英語の意味は明らかになってきます。そして、英文を作るときも、この文型の骨格が意識できるだけで、格段に作りやすくなります。

このように語順から動詞の役割が決まり、訳が決まってくるのです。主語と動詞が決まると、誰がどうするという、文の骨格が決まってきますので、大きなブレが生じることがなくなります。こうして、英文解釈に入っていけばいいのです。ただ、文型を見極めるのにもある程度訓練が必要です。私自身は浪人時代に4月から8月まで、ひたすら英文を要素に分ける練習をさせられました。その時は何の役に立つのだろうと思っていましたが、8月以降、急に英語の構造が見え始め、英訳でも文法問題でもまったく迷いがなくなりました。中高の6年間ずっと英語という科目は学習してきましたが、目から鱗が落ちるとはこのことで、なぜもっとこれを早く教えてくれなかったのだろう今までの英語の先生たちは!と思った覚えがあります。

ぜひ、語順を意識して、文型から動詞の意味を決めていく方法をマスターして欲しいと思います。

2021年1月12日英語英語,語順,5文型

Posted by peroparo