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記憶力を高める学習法とは??覚えられない悩みを解決 書いて覚えるのがベスト??リトリーバル学習とは?

2020年9月16日学習方法(塾、オンライン、通信講座)

子ども時代も大人になってからも、何らかの試験やテストは避けて通れないものです。そんな時に、劇的に記憶力が高まったら良いのに。暗記パンが欲しい!!と思ったことは誰しもあるのではないでしょうか。

今回は、近年脳科学の分野で実証されつつある、記憶力を高める学習法についてご紹介します。

目次

自分は暗記力がないという悩み!!記憶力って上がるの?

せっかく覚えたはずの単語が30分後にはまったく頭に入っていない。寝る間を惜しんで暗記をしたはずなのに、次の日にはまったく思い出せない。何となく似たようなことは書けても、正解には至らない。いったいどうしたらいいのでしょうか?勉強での悩み相談のトップにあがる項目として「うちの子は本当に記憶力が悪いんです。どうやったら覚えられますか?」というものがあります。

ところで、皆さんにはアイドルグループやスポーツ選手の名前など大好きなものはありますか?そして、好きなアイドルやスポーツ選手の名前はどのように覚えていたでしょうか?勉強と同じく、書いて覚える??いや、私は、何度も唱えるタイプなので!!などとブツブツ唱えて覚えるみたいなことはしませんよね?いつの間にか自然と覚えているというのが正直な感想ではないでしょうか。

私の尊敬する脳科学者の池谷裕二さんが、「記憶力を鍛えるのは入力じゃなくて出力です。」という対談をされていて、「多くの人は、『記憶』というと、詰め込むもの、覚えるもの、入力するものだと勘違いしています。しかし、記憶は出力しないと鍛えられない。」という趣旨のことをおしゃっています。

すなわち、好きなアイドルの推しメンがいたとすると、そのメンバーの発信したブログやライブ映像、テレビ出演番組などに何度も触れて、それを同じメンバーが好きなファンと共有をする。ここで、その映像や文章を思い出し、自ら発信することで、自然と強い記憶になっていく。覚えようと思ったわけでもないのに、いつの間にか覚えているという状況があるわけです。

すると、記憶力をあげるためには、勉強でも同じプロセスを踏まなければならないことになります。何度も繰り返して覚える、すなわち「入力」を繰り返すのではない。「入力」されたはずのものを思い出す、そしてそれを記憶に即して紙に書いたり、声に出して言ってみる「出力」の過程こそ大切なのです。

記憶力に自信がない生徒の答案用紙を一緒に復習をしていると、いつも同じ反応がかえってきます。

Pero

この社会の卑弥呼って答え、テスト前に一緒に勉強したけど忘れちゃった?

ううん、答えを聞けば思い出せるけど、テストの時は何を聞かれているかわからなかった。

そうなのです。記憶がないわけではないのです。その知識自体は頭の中の倉庫に格納されているものの、テストの時にはその知識のありかがわからなくなり、適切に取り出すことができないイメージです。まるで道端で落としたコンタクトレンズのようです。絶対どこかに落ちているけど、どこにあるかわからない。あの絶望感です。(使い捨てコンタクトに変えたい!!)

おすすめの学習法 リトリーバル学習(トレーニング)とは?

リトリーバルトレーニングとは、最新の脳科学でもっとも効率的な学習ができると証明された方法です。リトリーバルとは、日本語では(なくしたものなどを)取り戻すという意味があります。頭の中に入ったはずの記憶をいつでも取り戻せる状況にするトレーニング、そんなイメージです。

では、実際にどのような学習をしていけば、いいのでしょうか。たとえば、20個の英単語を覚えなければならないとします。その際、多くの生徒は、単語を見ながらノートに3回、5回、場合によっては10回ぐらい書いて覚えようとします。

例えば、appleという単語を覚えるとします。apple apple apple ノートに何回もappleのアルファベットが並びます。その後、「アップル」を英語で書いてみてと指示すると、aapru などとの綴りになってしまう子が実際にいます。さっきの繰り返しはいったい何だったの?と思いますが、そう思っているのはおそらく書いている本人のはずです。なぜあれだけたくさん書いたのに、書けないのだろう?やっぱり記憶力が悪いからかな?

しかし、そうではありません。「アップル」はappleと書かなくてはならないのだという出力を確認しておかなければ、「アップル」という響きにつられ、そしてアルファベットの何かを重ねて書いたはずだというおぼろげな記憶に基づき、aapruといった誤った記載になってしまうのです。

それでは、どうすればいいのか、appleという単語を3秒見る、その後その本を閉じて、白い紙に「アップル」を英語で書いてみる。答えを確認する。aapruと書いてしまっていたら、重ねるのはpの部分、ローマ字ではruで「ル」と読むけれど、英語ではleなんだと確認した後、もう一度本を閉じて書いてみる、appre!!

再び、答えを確認reではなくleだと確認して、さらに書いてみる、apple!!ついに書けた。短時間で覚えて、思い出しながら書いてみることの繰り返し。慣れてくれば、5個の単語を3秒ずつ記憶して、直ちに書いてみる、10個の単語を3秒ずつ記憶して書いてみるとだんだん量を増やしていけば大丈夫です。

人間の忘れるという特徴は非常に大切な能力です!!

でも、そうやって訓練したものの、常にメンテナンスしなければ、またすぐに取り出せなくなってしまいます。ディズニー/ピクサーの映画にインサイド・ヘッドという感情や記憶のメカニズムを描いたものがありますが、(楽しいし勉強になるのでおすすめです。)長期で使われない記憶は、不要な記憶として奈落の底に捨てられてしまいます。したがって、定期的に思い出し、繰り返し出てくる情報は重要な情報であると脳に認識させることですぐに出力できる状態を作り出しておく必要があるのです。

そうだとしても、なぜ人間の脳は一度覚えたことを忘れてしまうのでしょう?一度見たもの、聞いたことがすべて記憶できていたら楽なのにと思ったことはないでしょうか。そうなれば、どんなテストでも100点が取れるかもしれません。もっとも、人間に万能の記憶力が身についていたら、そもそも記憶を確認するような問題は一問も出ないとは思いますが…。

忘れるという能力は、悲しみから解放を意味するそうです。大切な人の死など人生では悲しいことがたくさんありますが、忘れることができないと、常に悲しみの記憶が鮮明になりすぎるため、その悲しみに人間は耐えられなくなってしまうのです。したがって、自分を守るために忘れるという能力が備わっているのです。

塾での面談で、夏期講習や冬期講習で今までの復習をしましょうとおすすめされることがあると思いますが、塾としては、少し時間をあけて強制的に復習の時間を確保することで、記憶を常に出力できる状態にしようという狙いがあるのです。そうだとわかれば、あとは実践するのみです。

学校の宿題の中に、英語ノートや漢字ノートといったものが出されることは多いですが、今のメカニズムから言うならば、英語の教科書の文章を書き写す、漢字ドリルの漢字を書き写すといった勉強法は効率的ではありません。英語であれば、自分の書くべき文章を10秒程度で覚え、直ちにノートに書いてみる。誤った部分を確認して、また記憶をたどりながら書いてみる、この繰り返しが大切なのです。どうせやらなければならない宿題ですので、より効果のあがる方法で進めてはいかがでしょうか。どうも記憶力には自信がないと思っている方はさっそく実践してみてください。

2020年9月16日学習方法(塾、オンライン、通信講座)国語,暗記法,英語

Posted by peroparo