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今さら聞けない中学英語 英語を半年で大嫌いにしないために!!英語と日本語では語順が違うことを心得よ!!

2021年1月11日英語

2020年より教育指導要領が改訂になり、小学校5年生から教科としての英語が始まりました。従来中学校1年生で学習していたことを小学校の5年生、6年生の2年間で学習するという触れ込みで、教科書も新しくなりました。写真が多用され、QRコードも各ページに掲載され、映像やリスニングも充実したものすごいものになっています。東京書籍のNew Horizon Elementalyの6年生のものには、現在の中2が学習している不定詞まで登場し、客観的に求められている文法レベルは想像を超えていました。

しかし、実際に小学生に学校でどんな英語の授業をしているかを聞くと、従来の小学校での英語と変わらず、まだまだ遊びの延長のようです。2021年から中学校の教科書が変わってきますが、そこでどれくらいレベルアップしてしまっているのか。今までも、英語に馴染むことができない生徒が中学入学から半年で「英語は大嫌い!!」という姿をたくさん見てきました。親としても自分に自信がなければ、英語がもっとも教えにくい科目となってしまい、なんとかしなければと塾の門を叩いた時には、もう手遅れといったことも多々あります。 

そこで、なぜ英語がわからない、大嫌いとなってしまうのか。英語を得意科目にするために押さえておくべきことをお伝えします。

目次

英語で大切なことは語順!!日本語との違いを意識して

「彼女は英語を話します。」という日本語の文があったとします。この文をたとえば、次のように書き換えてみます。「英語を彼女は話します。」としても同じ意味で伝わりますし、「英語を話します、彼女は。」と書いてもはじめと同じ意味に理解できます。日本語は、語順に寛容な言語です。順番を変えることで強調したい部分などを自由に変えることも可能ですので、英語を習いだすまで語順というものをあまり意識しないまま、日本語を使っているはずです。

しかし、英語は日本語と違い、語順をとても大切にします。同じ単語を使っても語順が異なれば別の意味に伝わってしまいます。よく英会話では単語を羅列すれば意志は伝わるから大丈夫と言われ、単語をやみくもに覚えていく学習法もありますが、こちらの単語の羅列によって、相手がなんとなく解釈してくれているだけで、こちらの真意が伝わっているわけではありません。したがって、誤解が生じては困るビジネスの場面では全く使えなかったりするのです。

中学校のテストでは、次のような並べ替え問題がよく出題されます。

〔English She  speaks .〕

このような問題が出ると、生徒は喜びます。単語を知らなくても、答えが出せそうに見えるサービス問題だと考えているからです。しかし、出題者は何を考えているのでしょう。たしかに、この問題を、「彼女は英語を話します。」という日本語を英語に直しなさい。という英作文の問題として聞くことも可能です。しかし、なぜ英作文の問題として聞かないのか。それは、英作文の問題として聞くと、その生徒が語順がわかっているかどうか確かめられなくなってしまうからです。

She speaks   English.

これが正解となりますが、英作文の問題として聞いた場合、一定程度の生徒がどこかの単語のどこかの綴りを必ず間違えます。(中には、単語が書かれていても写し間違いをするおっちょこちょいな生徒もいますが、それは論外ですので、知りません。)基本的には与えられた単語の写し間違いがないと仮定すると、語順がわかっている生徒は、この問題を正解しますが、語順がわかっていない生徒はこの問題を間違えます。すなわち、英作文の問題として聞いてしまうと、語順がわかっていないのか、単語の綴りがわかっていないのか、判別がつかなくなってしまうため、あえて難易度を下げても、並べ替えの問題にし、語順がわかっているかどうかを確かめているのです。

裏を返せば、英語における語順はそれだけ重要だということを示唆しているのです。それでは、英語はなぜそれほどまでに語順にこだわるのか。欧米は契約社会だと言われます。たとえば、プロ野球で外国人選手が日本に来る際は、何十ページにも及ぶ契約書を交わし、そこにはヒット一本につきいくらといったことまで、細かく書かれていると言われます。日本人選手はそこまで細かく契約を交わしませんので、シーズンオフの契約更改で揉める選手は何度も保留をしつつ、決めていく形をとっています。

しかし、通常プロスポーツ選手はもっと明快にその能力やスキルを評価され、それが金銭という形で結実します。世界ランキングやポイントによって、得られる賞金が明確に決まるプロテニスの世界などは、非常にわかりやすいシステムと言えます。

契約社会においては、事前に揉める要素を徹底的に排除しようとします。そのための細かい契約書なのです。そうだとしても、どれだけ細かく契約書に記載があっても、当事者の解釈が違ってしまっては意味がありません。すなわち、契約書の内容は誰がどのように読んでも同じ意味に解釈されなければ、契約をする意味がなくなってしまうのです。しかし、契約には言葉が使われています。書き間違い、言い間違い、勘違い、このようなものが入り込まれては、絶対にだめなのです。英語において、それがまったくないわけではありませんが、その可能性を極限まで排除するために英語は多くのルールを定めました。そのひとつが語順なのです。ある内容を伝えたければ、決まった語順でなければ、ならない。

English She speaks.では、彼女は英語を話します。と訳してはいけません。日本語の感覚に慣れている私たちは、何とか書き手の意をくみ取ろうとしますが、そこを汲み取るから揉めるのです。汲み取ってはならない。誤りは契約締結前に正してから出ないと、サインをしてはいけません。それが、自分の身を救うことになるのです。

このような文化から発生してきた言語が英語です。だから、語順が大切なのです。

英語の語順の特徴は??

日本語の場合、大切なことは分の後ろに置かれます。いわゆる述語で文章をしめていきます。否定や過去の文かどうかも、語尾の数語で表します。「彼女は英語を話します。」を否定するならば、「彼女は英語を話しません。」として「す」が「せん」にかわるだけです。過去形にしたいならば、「彼女は英語を話しました。」として、「す。」が「した。」にかわるだけです。したがって、語尾を聞き逃せば、肯定なのか否定なのか、現在なのか、過去なのか、さっぱりわからないのが、日本語です。よって、日本人は普段から人の話を聞くときも冒頭はほとんど無警戒で、語尾に近づけば近づくほど集中力を高めているのです。

この感覚で英語のリスニングテストを受けると、誰がどうしたという部分がことごとく聞き取れません。英語は、誰がどうしたという述語の部分を、主語の次に述べてしまうからです。先ほどの文章でも、日本語では、「彼女は英語を話します。」と動作の話す部分は最後に出てきますが、英語ではShe speaks English.と話す部分がSheの次に出てきます。誰がどうするのかというのは、相手に伝える際に重要な事項です。重要な事項は優先的に伝えるというのが、英語の基本です。日本語のように最後までじらしてこないのです。

あとは、疑問文などの場合も、日本語は、「彼女は英語を話しますか。」と語尾に「か。」がつくだけで、聞かれた方は相手の質問に答えなければなりません。「か。」を聞き逃したばかりに、質問されているのに、「そうなんですね。」などととんちんかんな解答をしてしまうことも日本語ではよく起こります。しかし、英語は相手に何かを訪ねたいのならば、きちんと語順も変えることで、質問であることを明確に伝えます。

Does  she speak English ?

と疑問文の時は、文頭にDoes が来ます。be動詞の場合は、be動詞を文頭に出すことによって、相手に訪ねていることを語順で示します。そして、書くときには、末尾に必ず「?」をつけます。語順+「?」という記号で疑問があるのだということを明確に示そうとします。中学に入ると、語尾の「.」「?」を忘れると必ず減点され、生徒は一様に、いいじゃん少しぐらいという反応を示しますが、文字はすべてが重要な記号なのです。道路の信号機のようなものなので、赤か青か黄色かがわからなければ、進んでいいのか、止まらなければいけないのか、わからないというのと同じようなものなのです。

そういったものを語順で表しているからこそ、英語においては大切なのです。

英語の語順のパターンにはどんなものがある?

最後に、文型の話をしておきましょう。SV SVC SVO SVOO SVOC これを懐かしく感じる人もいると思いますが、英語の語順はこの5つの文型で説明できるとされています。3つや4つにカテゴライズする説もあったり、そもそも、アメリカやイギリスではこのような文型にわけては説明されていないから、文型は不要だという説もありますが、先ほども述べましたが、私たちの中には、日本語の体系が遺伝子レベルで染みついてしまっています。自分の考えや気持ち、事実を伝える際には、どうしてもこの日本語の体系が反応するはずです。もう一度、言語を習得してない1歳児に戻って、英語脳を鍛えるぞ!!というのはおそらく無理です。(英語が母国語の国に移住してまったく日本語を使わない生活をするならば、可能かもしれませんが…。)

したがって、日本語の体系を前提に英語の体系や語順を考えてあげるほうが、絶対に効率的です。そうだとすると、日本語を操る我々だからこそ、5文型を意識し、日本語とどの点が違うのかを意識してあげるほうが、英語の理解は格段に上達するはずです。よって、これから英語を勉強していく際にも、英語の語順には細心の注意を払い、語順がマスターできたら、あとは単語が入れ替わっていくだけという意識を持つことをおすすめします。

次回、何が語順を決める要素になるのかをお伝えします。

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Posted by peroparo