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今さら聞けないシリーズ 分数の割り算はなぜ逆数にしてかけるのか?1で÷という発想がポイント!!

2020年11月30日数学

計算で答えは出るけれど、なぜその計算をすればいいのかはわからない!!という計算は意外と多いものです。例えば、-10×-10=+100ですが、これもよく考えれば、難しい問題です。-10を例えば10万円の借金と考えると10万円の借金と10万円の借金をかけあわせると、100万円の資産になるのか??という不思議な現象に遭遇します。が、みんな目をつぶっているのです。

そのようなもののひとつして、今回は分数の割り算を取り上げます。

目次

まずは、分数の割り算の解き方を確認してみよう!!

$\frac{3}{7}÷\frac{5}{8}$

これは、どのように計算するのでしょうか。$\frac{3}{7}×\frac{8}{5}$と書き換え、$\frac{3}{7}×\frac{8}{5}=\frac{24}{35}$と解答することができるます。小学生も得意げになって、解いてくれます。

ところが、なぜ逆数にしてかけるのか?という問いかけをした途端に、空気は止まります。?¿?「そういうもんだから覚えなさい!!」これは親がもっとも言ってはいけない言葉の一つです。どうせ聞いても無駄だ!!もう二度と聞くもんかと親の沽券にかかわります。

ここで大切なのは逆数の意味と割り算の性質!!

逆数とはなんでしょう?簡単に言うと分母と分子をひっくり返したものです。したがって、$\frac{5}{8}の逆数は、\frac{8}{5}$ということになります。$\frac{5}{8}×\frac{8}{5}=1$になりますが、このように「2つの数の積が1になるとき、一方の数を、他方の数の逆数という。」というのが逆数の正式な定義になります。

それでは、分数の割り算では、なぜ逆数にしてかければよいのでしょうか。ここで、もうひとつ重要な割り算の性質が登場します。

それは「割られる数と割る数に同じ数をかけても答えは変わらない!!」という性質です。言葉だけで説明すると、なんだかわかりませんので、数字を使って考えてみましょう。ここで、小数の割り算、6÷0.3を筆算で求めることにしましょう。0.3という小数で6を割るのは、大変なので、0.3を10倍して小数点を移動するという作業をすると思いますが、式に書くと(6×10)÷(0.3×10)=60÷3=20と計算することになります。

ここが怪しい小学生もいますが、大切なのは、割る数0.3を10倍するなら、割られる数6も10倍すれば、答えは同じになるということです。さあ本題はここからです。

1で÷という発想がポイント

 $\frac{3}{7}÷\frac{5}{8}$

=$(\frac{3}{7}×\frac{8}{5})÷(\frac{5}{8}×\frac{8}{5})$

=$(\frac{3}{7}×\frac{8}{5})÷1$

=$\frac{3}{7}×\frac{8}{5}$

=$\frac{24}{35}$

という形に変形できました。1をかけても、1で割っても答えは変わりませんので、割る数を1にして、1で割ってあげようというのがそもそもの発想です。1で割るためには、$\frac{5}{8}に逆数の\frac{8}{5}$をかけて、1を作ってあげます。ここで、割り算の性質より、割る数にある数をかけるとき、割られる数にも同じ数をかける必要があるため、$\frac{3}{7}にも\frac{8}{5}$をかけているのです。その後ろの÷1は書いても書かなくても答えは変わらないため、省略され、逆数にしてかけるという結論部分だけで説明されるため、意味がわからなくなっているのです。

どうだったでしょうか。他にも説明をする方法はありますが、少なくとも、分数の割り算はなぜ逆数にしてかけるの?と聞かれてもこれで説明できるのではないでしょうか。親の沽券を取り戻すために、日々学習を続けたいものですね!!

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Posted by peroparo