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算数・数学のおすすめの勉強法は?

2020年10月18日数学

先日は、国語の勉強方法についてお話ししましたが、第2弾として、算数、数学のおすすめの勉強方法をお伝えします。塾の中でも必ずといっていいほど受講科目にあがってくる数学ですが、早い生徒は小学校4年生ぐらいからつまづきを見せ始めます。小学校3年生くらいから中学校で学習する計算のきまりなどが出始め、問われる内容が少しずつ抽象化します。特に文章題などで、聞かれていることの具体的なイメージがつかなくなってくると、とたんに鉛筆が止まることになります。

目次

算数とはいったい何だろう?根拠をないがしろにすると後々怖いことに。

小学校に入ると、6年間算数を学習します。数の概念から始まり、足し算、引き算、掛け算、割り算と順に学習していきます。また、面積や体積といった図形問題も登場します。算数という教科の目的は、日常生活において、例えば今、財布には200円しかないが、スーパーで280円のとんかつに3割引きのシールが貼られていた場合、これをレジに持って行っても足りるか?といった場面で大切になってきます。お金が足りるかどうかわからなければ、万が一レジで足りなかった場合、赤っ恥をかくことになるからです。

このように、算数は日常生活で生じうる具体的な場面で使える計算などを学ぶことを目的とします。したがって、小学生の算数の解き方を見ていると、文章問題などは、足してもだめなら引いてみよう、引いてもだめなら掛けてみよう的な解き方をする生徒が散見されます。また、ここは引き算の単元だから大きい数字から小さい数字を引いておけば答えだろう!!的なずるい解き方をする生徒も現実に存在します。

確かに、算数は日常の計算ができることになることを目的としていますので、小学校の段階まではそれでもテストでは点が取れますし、何も困ることはないことになります。しかし、そのようなことを繰り返していると、中学になった途端に苦しむことになります。

数学とはいったい何だろう?

中学に入ると教科の名前自体が算数から数学に変化します。高校に入るとそれまで理科という科目名だった強化が、物理や生物、地学といった教科名に変わるのに似ているでしょうか。それでは、数学とは何を学ぶ教科なのでしょうか。

中学に入ると、いきなり負の数というものを学習します。(ー5)のようなマイナスの数ですね。実は、負の数というのは、存在自体は認められていましたが、これが実用的に利用されるようになったのは、かなり最近のことなのです。

無いもの、すなわち‘’0‘’よりも小さい数などというものを観念する必要があるのかということが議論され、負の数は「不条理な数」などと呼ばれていました。

カジョリ初等数学史 下 小倉金之助翻訳

負の数をめぐっては、教科書でも明確に説明されていない不思議な点がいくつもあります。例えば…、負の数×負の数=正の数という問題が出題され、-3×-2=6などという計算も難なくできると思いますが、負の数同士を掛け合わせると、なぜ正の数になるのかは、わりと難しい問題です。3万円の借金と2万円の借金を掛け合わせると、あら不思議6万円の資産に早変わりするのと同じイメージですが、現実は負債が5万円存在するだけですよね。しかし、実は塾でも(ー)×(ー)=(+)のことを、マイマイプラといった語呂合わせで教えているところもあったりします。ただの魔法の呪文です。正直ここを説明して、かつ中学校1年生の生徒に理解させることは至難の業のため、とりあえず、テストで点数が取れればいいかという指導が蔓延していることは由々しき事態です。とはいえ、ここでその理由は説明しないのですが(笑)

負の数だけでなく、方程式の移行では、なぜ=を飛び越えると符号が変わるのか?や平方根っていった何なのためにあるんだろうなど、謎のまま進んでしまう単元はたくさんあります。しかし、それこそが数学の本質です。数学は、世の中の現象、例えば毎日太陽が昇り、沈んでいくのはなぜだろう?といった疑問に対して、数を使って説明することを目的とする学問です。したがって、答えが出ること自体は何ら重要ではなく、その答えに至る道筋や論理的な思考が重要なのです。

これを先ほどの小学校の算数の話にあてはめますと、問題の意味を何ら考えることもなく、目の前の数字を足したり、引いたり、掛けたり、割ったりすることはテストで〇をもらうことはできますが、その答えに至る道筋については何の興味もない姿勢と言わざるを得ません。小学校でこのようなことを繰り返してきたのに、中学校になって突然論理的な道筋が重要だと言われても、対応できるわけがありません。したがって、小学校の時から、なぜこの考え方をするのか、なぜこの式が立つのか、なぜこの答えが出るのかといった点をしっかりと意識しておくことが非常に大切なのです。

算数・数学の具体的な勉強法??

それでは、毎日どのようなことを心掛けながら、算数や数学を勉強していけばよいのでしょうか。まず、意味のわかっていない公式をやみくもに覚えるといった学習は絶対にやめるべきです。例えば、台形の面積を求める公式は小学校で学習しますが、小学生に公式を聞くと、(上底)+(下底)×高さ÷2!!と得意げに答えてくれます。が、なぜその公式で台形の面積が求まるのか?と聞くと、多くの生徒が口を閉ざします。50人に1人ぐらいその理由を答える生徒もおり、関心はしますが、この理由については教科書に間違いなく書かれていますので、生徒も理由を聞いていないわけではないのです。(学校の先生がきちんと触れていれば。)しかし、なぜそのような公式になるかは、まったく興味がない。ただ、計算をして台形の面積が求められれば、宿題を終えてゲームができるのです。そんなことには構っていられないのです。

しかし、この姿勢が間違いなく、後で自分の首を絞めることになります。したがって、家庭で学習する際に、新しい公式が出てきたら、なぜその公式で答えが求まるのかといった部分を確認することが大切です。

だからといって、公式がどのように作られているかが自分の頭の中でひらめくようなことは求めていません。その考え方は、きちんと教科書に書かれています。なので、教科書の解説部分、問題集などのポイントをまとめた囲みの部分は丹念に読み込んでいく必要があります。そこに書かれていることをしっかりと理解すること。仮に学習塾に通うのであれば、計算問題の答えがあっているかなどの指導を受けるのではなく、ある公式がどのような考え方に基づいて導き出されているのか、自分なりの考え方が正しいのか否かを指導してもらう方がよっぽど学習効果のあがる方法ということになります。

その考え方がわかったら、次に例題に目を通し、具体的な問題の中でその考え方がどう活用されていくのかを確認していきます。ここまでが、数学学習の理解の部分です。理解できた、よしゲーム!!と行きたいところですが、この後には、問題演習が必要になります。理解できた、理由がわかった公式について、類似の問題にたくさん触れる中で、どのように数字が変わっても同じような処理手順で解答を導くことができる能力、これをあてはめ能力、または応用力といいます。

数学が伸び悩む生徒の特徴は2つ!!

以上を踏まえて、塾生の中でも数学が苦手、成績が伸びないと言っている生徒は、上記のポイントのいずれか、あるいは双方が欠けていることが非常に多いです。

1、まずは、小学校の時の癖が抜けず、解き方や考え方をしっかりと理解しようとしない生徒、教科書のポイントまとめ部分や問題集のまとめはほぼスルーしいきなり問題から解き始めようとする生徒はこのタイプにあたります。さらに重症化すると、解き方や考え方の部分をどんなに読んでもそれが理解できない生徒。これは数学力というよりも、国語力の欠如によるところが大きくなります。そのような生徒には、数学の前に国語を強化することをおすすめしたりもします。

2、次に、解き方や考え方はわかっているけれど、問題演習をしないため、適切にあてはめることができず、点数につながらない生徒もいます。よく、生徒がケアレスミスが、凡ミスが、という言葉を口にしますが、一応解き方はわかっているように見えてもミスが多い生徒は、根本的に問題演習が足りません。そこを数十問、数百問と増やしていくと自然とミスも減り、スピードも速くなり、正答率があがります。

「うちの子は本当にミスが多いんですが、どうしたらいいですか?」という質問は塾で受ける質問のうちでも3本の指に入ります。そして、そういったミスはあまり大きな問題だと捉えていないことが見て取れることが多いのですが、この原因としては、解き方が根本的にはわかっていないパターンと問題の演習量が不足しているパターンに分けられます。このうちの後者の問題演習が不足しているタイプの生徒は、学習塾に入るとわりと短期間で成績があがってきます。塾で強制的にさせられる問題演習によって、そこのマイナスがカバーされるからです。

一方、解き方や考え方を確認する学習習慣がない生徒は、塾に入ってもその習慣が身につくまではなかなか成績があがってきません。したがって、自分、もしくは我が子の弱点分析だけでも塾でしてもらうことは有効だと思います。

結局どうすればいいの?

  1. 少し話しがそれましたが、算数・数学を勉強していく上でのポイントを述べます。
  2. 解き方や考え方が重要ですので、教科書等に書かれている説明がきちんと理解できるように自分で図に描くなどしながら、問題になっている状況を具体的にイメージすることが大切です。
  3. 計算においても、思考のプロセスを意識し、あとから振り返ることが大切ですので、途中式を書くことは必須です。点数が伸びない生徒ほど、途中式を書くことを面倒くさがって、かえって時間を浪費する姿をよく見かけます。
  4. また、問題を解こうと思ったけど、まったく見当がつかないときに、解答を赤字で写してできたように気持ちになるのもNGです。
  5. 何をしていいか全く見当がつかないのであれば、その単元に関しての理解が欠けていますので、もう一度教科書を読む、学校の先生や友達、塾の先生に聞く、今だとネットやYouTubeに無料の解説記事や動画もあがっているので、そのようなもので再度確認してください。
  6. そして、間違えていてもいいので、自分なりの考え方の筋道をノートに示しておくこと。そして、答え合わせでは、最終的な答えの部分があっていたかどうかではなく、自分の考え方が、解説の解き方に照らして一致していたか、ここを丹念に確認していくことが必要です。そういう面では、答えはあったけれども、解答の解説と自分の解き方が全く違う場合は、要注意です。その解き方がベストなのかどうかは、第3者の意見を仰ぐことをおすすめします。

勉強の大きな流れとしては以上の通りです。あとは、考え方が違った問題を繰り返しチャレンジし、その問題に対峙した時に、解説のような思考パターンが取れるかどうかを確認していく作業ができれば、なお良いです。くれぐれも解答を覚えてしまうことではないので、そこは注意してください。

もし、自分がどのように学習すればいいのかのイメージがつかないようでしたら、コメント欄に質問をいただければ、アドバイスできるかもしれませんので、お問い合わせください。次回は英語の学習方法について、書いていく予定です。

2020年10月18日数学ケアレスミス,学習法,数学,算数,考え方,論理的思考力

Posted by peroparo