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テストまであと1か月!!効率の良い勉強法とは??

2020年11月2日学習方法(塾、オンライン、通信講座)

「うちの子は、勉強方法がわかっていないみたいです。」「効率の良い勉強方法を教えてください。」「毎日8時間みっちり勉強したのですが、テストでまったく点数がとれませんでした。」こういった切実な相談はとどまるところを知りません。そんな時にする私のアドバイス法を紹介します。

目次

どうなることを目的に勉強をする必要があるのでしょう?

まずはじめに確認しておきたいのは、自分がどんなテストで、どんな成績を取りたいのかを明確にする必要があります。学校の定期テストなのか、実力テストなのか。英検や漢検といった資格試験なのか。試験の種類によって求められる、知識、能力は異なりますから、当然勉強の仕方は変わることになります。

別の記事で、英語、国語、算数(数学)のおすすめの学習法を紹介しました、それらは主に中学校の定期テストで点数を取るための学習方法を紹介していますので、それが実力テストなど別の能力を問われる場合には別の対策が必要になってくるのです。

それでは、勉強方法はどのように組み立てていくのか。すべてのテストに、過去問が存在します。過去に同じ範囲について問われたことのある問題ですね。まずは、それをしっかりと分析することから始めていく必要があります。英検や漢検はそれぞれのサイトや書店で過去問を手に入れることができます。過去問を分析するというのは、その問題をとりあえず一通り解いてみることではありません。学校の定期テストで先生が手抜きをすると、まったく同じ問題が出題されるといったこともないわけではありませんが、そんな偶然を期待するのは効率が悪すぎます。

ではどのように分析をするのか。例えば、小学校でも学習する社会の大化の改新を例にとって説明してみます。

  • 西暦645年に起こった政変を何というか。 
  • (答え) 大化の改新

例えば、過去問中にこんな問題が出題されていたとします。この場合、西暦645年、政変、大化の改新という3つのキーワードを知識として知らなければ、この問題に正解することは困難となります。このように、問題の大半が知識を聞くもので占められている場合、一問一答形式の問題集などで、知識を大量に詰め込む勉強が必要になってきます。

  • 中大兄皇子らが唐から帰国した留学生とともに、唐の律令制を参考に目指した国家体制は何か?
  • (答え)中央集権国家

一方、大化の改新についてこのように聞かれた場合はどうでしょうか。645年という年号も大化の改新という言葉も出てきませんので、中大兄皇子や唐の律令制という言葉に反応できなければが、大化の改新について聞かれていることすら気づかない場合もあるかもしれません。このような問われ方をする場合は、大化の改新とはいったい何なのか。歴史の教科書にわざわざ紙幅が割かれているのはどのような重要性があったのか。そのあたりを掘り下げる学習をしておかなければ、得点にはならないことになります。この場合は、教科書をしっかりと読み込む、資料集などで大化の改新と呼ばれる一連の改革は何だったのかを調べる学習が必要となってくるのです。

過去問はどこで手に入れる?

もし塾に通っているのであれば、塾に過去問のストックがないか聞いてみましょう。同時に知識重視なのか、理解重視なのか、問題の傾向も聞いてみると良いでしょう。そのあたりを分析し、得点UPに不可欠な学習法を教われるのが塾に通うメリットと言えます。

一方、塾に通っていない場合、学校の先生にお願いすると過去問をいただける場合もあると思いますが、それが難しければ、先輩などにお願いして入手することになります。

そんな人間関係はない!!という人は教科書に準拠した問題集などを購入し、テスト対策問題などのページを参照することで、その単元で聞かれやすい問題の傾向を知ることはできますが、その学校、その先生の癖のようなものは捉えることができませんので、分析の精度は下がることになってしまいますので注意してください。

これらの分析の結果、知識よりも理解を問われる傾向が強いことがわかると、やみくもに知識を増やす方向に学習を進めても点数にはつながらないことになります。よく社会は覚えるだけですよね?といった質問を受けることがありますが、特に最近は覚えた知識をどのように使えるかといった能力を見られる傾向にありますので、覚えるだけでは不十分ということになります。しかし、今は便利な世の中です。「大化の改新とは」といったキーワードでネット検索すると細かい情報からポイントをまとめた情報まで何でも無料で手に入る時代ですので活用しない手はないと思います。

出題者の意図を考える!!

ちなみに、出題者の意図を考えることも非常に有効です。今の大化の改新を例に取ると、なぜ大化の改新の理解を問いたいのか。歴史の教科書に載っている出来事というのは、それによって社会が変化したと言われることが中心になります。例えば2020年には、菅政権の発足やアメリカ大統領選挙など重要な事件がたくさん起きましたが、生活様式が一気にオンライン化したといった変化をもたらした元凶はコロナウイルスの流行ですから、2020年はコロナウイルスの流行が歴史の教科書に記載される重大事項になるはずです。

そうすると、大化の改新で押さえておくポイントは、蘇我氏という豪族が皇族との婚姻関係を利用して好き勝手やっているため、政治が乱れている。それを排除して再び天皇中心の中央集権国家を作る必要がある。と考えた中大兄皇子と中臣鎌足らがその当時の唐の律令制度を参考に国家のあり方を変えていったところにあります。出題者は解答者がこれについての理解があるのかを聞くために色々な問題を出題してきますので、この切り口から問題にアプローチすることが必要になります。

長い時間机に向かっており、勉強時間は確保できているように見えても、点数が伸び悩む場合はこのポイントの押さえ方が甘かったり、そもそもそのような方向で勉強をしていない場合が非常に多いです。今自分が学習している部分のポイントは何か。要約するとするとどうなるのか。といったことを意識するだけで結果は変わってきます。そのポイントから問題を解いてみて、それでも正解に至らない場合はポイントにズレがないか検証し、再度実践してみることが必要になってきます。

塾というところは、このポイントを伝えることを商売にしています。一斉塾では学校では習わない周辺事情も含めたポイントの伝授、個別指導や学習塾はそのポイントを教わる生徒が理解できるようにカスタマイズして伝えることで成績をあげようとします。ちなみに学校の先生もこのポイントを伝えることは意識されていますので「ここ大事だぞ!!」という部分にしっかりと耳を傾けると、同様の効果は得られますし、授業後に結局今日の授業のポイントは○○でしたか?といった感じで質問をすれば、なお良しです。

理解したら繰り返す。

学習した項目のポイントが理解できたと思ったら、その視点から問題が解けるのか、問題演習をたくさんすることが必要になります。暗記した知識も実際に問題で発揮されなければ意味がありません。数学の公式、英単語、国語の漢字が具体的な問題のなかで使いこなせる知識になっているか。これは何度もノートに書くインプットを繰り返しても身には付きません。アウトプットを通して記憶を強化していく必要があります。

ある科目の勉強に60分使えるとするならば、10分で知識を理解してインプット、残り50分を問題演習でアウトプットするイメージがおすすめです。アウトプットしてみて、知識が曖昧ならば、再度ポイントを理解しながらインプットという形で修正していくことが、一番効率のよい時間の使い方です。すでに点数が取れる部分を20分も30分もかけて覚えるのは非効率ですし、解答に使えない知識を入れることもまた、無駄になります。問題を解きながら入れるべき知識、ポイントを修正していくイメージで学習を進めてください。

インプットしやすい方法は人それぞれです。書いて覚える、眺めて覚える、読み上げて覚える、人によって得意不得意がありますので、これも様々な方法を試してみるとよいと思います。ただ、科学的には五感の作用を使えば使うほど記憶には定着しやすいと言われています。口に出しながら書いてみるインプット法の場合、まずおぼえる対象を目で見て(視覚)、その認識を声で正確に発生できているかを確認しながら(聴覚)、手や腕の筋肉を動かしながら紙に記載し(触覚)、それが正しいか再度目で見て確認する(視覚)動作が加わるため、記憶に残りやすいのです。ただ、本を黙読してもなかなか覚えられないという人は、五感の作用を使ってみると良いかもしれません。