幼少期に最も身につけておきたい能力とは?○○力がないと将来苦労する。
学習塾への入塾を検討する際、多くの学習塾が無料の体験授業を実施していたり、学力診断テストという名の入塾テストを受けることができます。
入塾前に無料で授業が受けられる!今の学力がわかる!!など塾を選ぶ側にとっては、良い面もありますが、塾側は体験授業の際に何を見ているのでしょうか?
体験授業で見ているのは、ずばり語彙力!!
多くの塾生を見ている中で、学力UPに欠かせない重要な能力として、語彙力があげられます。人は「ことば」を1歳前後から少しずつ話しはじめますが、仮に生まれてからまったく「ことば」に触れない世界で子どもを育てると、何歳になろうと「ことば」を発することはありません。オオカミに育てられた少女、アマラとカマラの逸話がそれをよく物語っています。生まれてからどれだけ周りからのことばのシャワーを浴びることができるかで、語彙力は変わってきます。
私の尊敬する文学博士の故外山滋比古博士はその著作の中で、アメリカにおいて差別の対象になってきた黒人の地位が向上したのは、差別を撤廃する条約や法律が整備されたことではなく、しっかりとした「ことば」の教育を受けられるようになったからに他ならないといった記述がありました。
それぐらい「ことば」は大切なのです。特に小学生に体験授業をする際は、国語であれ算数であれ、文章や問題文がまずはスラスラと読めるか、を確認しています。そして、スラスラ読めたとして、次はその意味が正確に理解できているか。これを確認しています。たまに小学校の低学年の生徒で、文章をスラスラと読めて、おそらく学校でも家でも褒められているだろうという生徒を見かけます。しかし、その読めた文章がどのような意味なのかを聞いてみると、まったく架空のお話を作ってしまっている生徒も一定数存在します。そのような生徒は、字面を追うことは得意なのです。しかし、文章が意味しているところは何ら理解できていない、恐ろしい事態に陥っています。
しかし、話の意味が理解できなければ、塾でどんな説明を受けても吸収できる内容は限定的になってしまいます。したがって、仮にその生徒が入会した場合にどの程度までかみ砕いて話をする必要があるのかを慎重に図ることに体験授業の目的はあると思っています。
ただ、小学生の時は、語彙力が十分でなくても、テストで点数をとれますし、通知表の評価もいい成績がついてしまう傾向にあります。したがって、その危うさになかなか気づけないという問題はあります。その後、中学校に入ると、文章の意味をとらえる能力が求められるようになりますので、その時点でことの重大性に気づき、まずい!塾を探さなければとなるのです。
そういう面で語彙力が優れている生徒は、本当に雨後の筍のように能力を伸ばし、成績がUPしていきます。
幼少期に自宅でできる語彙力をあげる方法をお伝えします。
極力多くの「もの」や「こと」に触れさせ、それがどういう「名前」を持っているのか。またそれがどのような「意味」を持っているのかを確認し続けていきます。今はアンパンマンやディズニーのキャラクターを用いた言葉図鑑などがありますので、そのようなものを活用してもいいですし、手近なところでは、新聞広告やカタログギフトのカタログなど、とにかく物が写真付きでたくさん載っているもののから、「名前」と「意味」を何度も確認していきます。文字が読める、ひらがなが書ける、そんなことは二の次です。
まずは、たくさんのものの名前や現象の名前のシャワーを大量に浴びせることが何よりも重要だと思います。そして、その段階が終わったら、そのなまえと文字がどう結びついているのかを確認する段階に移ればいいのです。
ちなみに、私には二人の娘がいますが、日々やっていることは極力たくさん話しかけ、新しいものの名前を一緒に確認すること。これに尽きます。
多くの生徒を見てきた上で、我が子に対しても幼少期の教育の第一段階を始めています。このサイトでは、我が子の成長の様子もお伝えしつつ、ともに子育てをすることをめざしています。
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