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学習塾の授業時間はどれぐらいが最適なの?データから検証。もっともコストパフォーマンスが良い学習プランとは?

2020年9月20日学習方法(塾、オンライン、通信講座)

学習塾から学習サポートを受けることを決めたとしても、どれくらいの通塾回数が必要なのか、一回の授業を何分間にすればよいのか、また費用はどれくらいなのかは大切なポイントです。入塾説明で言われるがままにプランを決めてしまって大丈夫だろうか?そんな疑問にお答えしていきます。

目次

学習効果をとるか費用をとるか?

一斉授業形式の塾の場合、ある程度カリキュラムが決まっており、時間やスケジュールは塾の都合にあわせることになるのが一般です。一斉授業形式の弱点は、個人の進度にあわせて授業ができないことです。この弱点をどのように克服していくのか。答えは一つです。基礎から応用まで多くのカリキュラムを入れ込み、宿題も含めて大量な情報のシャワーを浴びせることで、学力をあげていこうとします。したがって、一斉授業の塾の場合、カリキュラムを選択する余地はあまりありません。その量をきちんとこなしきることができると判断した場合は、がんばってついていってください。

一方、個別指導塾や家庭教師は、教科、回数、時間、人数をある程度自由に選ぶことができます。一斉授業の塾の量はとてもこなせない!!という人はこちらを選ぶことになるでしょう。塾で対策をする教科として多いのは、小学生は国語、算数、最近は英語を選択する方も増えています。中学生はやはり英語と数学をメインとして自分の不得意な教科をプラスするケースが多いように感じます。

多くの個別指導塾が60分、90分、120分といった単位で授業を設定してます。

親の気持ちとしては、最短の時間、最少の投資で最高のパフォーマンスをあげてほしい!!それこそがプロの塾ってものだろうと考えたくなるものです。実際、入塾説明の際にも、週1回60分で英語、数学の2教科を学習させてほしいといった要望を述べられる方もいらっしゃいます。が、塾側の立場に立つと、週1回30分間ずつ英語と数学の勉強をしてもらったとしても、効果をあげることは正直難しいというのが本音です。

確かに、個別指導塾の場合、週1回60分でも1万円前後の授業料となるため、週2回にすると2万円、時間を90分や120分に伸ばすとさらに費用はかさみます。やらないよりはましという感覚でとりあえず週1回60分で始めてみて、子どもが負担に感じなければ増やしていきたいとおっしゃる方もいらっしゃいます。みんな抱えている事情がたくさんある!!それは痛いほどわかります。

しかし、学校において主要な科目は週に3時間、4時間とものすごいスピードで進んでいきます。そのペースに負けないスピードで学習を進めようと思うとやはりある程度の時間数は必須となります。それでは、どれくらいの時間が必要なのでしょうか。

おすすめは、最低週2回、90分以上の授業プランを選択すべし!!

おすすめとしては最低週2回以上、小学生は60分のプランでもいいと思いますが、中学生以上は90分以上のプランを選ぶべきだと思います。

以下にその理由を述べます。

  1. 最低限の学習量を確保するためには、60分では足りない。
  2. 学習習慣をつけるためにも、最低2回は塾に通いたい。
  3. 人間は負荷が重くなるほうへの選択を嫌う。

1´中学校では、英語や数学、国語といったメインの教科は週4回、あるいは週5回学習をします。学校で習う内容の予習や復習をしようとする場合、60分の授業では十分な学習量が確保できません。通常、どの塾でも宿題が出されますが、その確認の丸付けと直しに5分。場合によって宿題の解答精度が低かったり(俗にいう全滅)、適当に答えを埋めてくるといったチャレンジングなことをしてきた場合、宿題直しに30分とかかかる場合があります。そこから、次の単元の説明をしていると、新しい単元の問題を解く時間はほぼないということになります。

2´次に、塾に通う目的によって異なりますが、塾に通うことによって、学習習慣をつけたいということならば、週1回の通塾ではうまく、習慣化ができません。家庭学習の習慣があり、塾は家でわからない点を解決するために通うのであれば、全然問題ありませんが、成績が伸び悩んでいる生徒の大きな原因として学習習慣のなさがあげられます。よく、勉強のやり方がわからない、効率的な勉強方法を知りたいといった相談をしていただくことがありますが、その生徒にあったベストな学習法はある程度の学習量をこなした後でなければ、見えてきませんので、塾への入塾を契機に家庭学習も含めた学習習慣をつけることを目的とされているのであれば、最低週2回以上は塾という場に赴くことが必要ではないかと思います。

3´最後に、まずは週1回から様子を見て、慣れてきたら通塾回数を増やしたいとおっしゃられるケースもよくあります。しかし、入塾時という学習への意欲が一番高いタイミングで週1回というリズムに慣れてしまうと、それを前提に他の予定や習い事等が入ってきてしまいますし、あえて苦しい方向に進んで舵を切れる人はなかなか多いものではありません。結局この時間数では足りない、なかなか成績があがらないとなっても、授業コマ数や授業時間を延ばすという選択をされる方は少なく、結局その塾を辞めて他の塾を探すといった決定をされるケースが目立ちます。しかし、塾を変わるとまた入会金や年会費、教材費などの諸経費がかかりますし、新しい環境に慣れるのにも時間がかかります。あらかじめ、塾側と相談をし、必要な学習量をはじめから実行していくほうが、3か月後、半年後に成果が目に見えてくると思います。

データからも証明されていた、学習時間と成績との関係

2020年現在、中学生の通塾率は70%とも言われ、ほとんどの中学生は塾に通っています。そして、毎年小学校6年生と中学3年生を対象に行われる全国学力調査を分析した結果から、学習時間が増えれば増えるほど(お金をかければかけるほどとほぼ同義)得点に比例することがわかってきています。せっかく塾での学習に投資をするのであれば、可能な限り時間を確保することが結局成績UPや志望校合格といった面でのリターンは最大化できると思います。

出典:平成25年度 全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究より抜粋。

上の表を見ると、小学校6年生では、月の学校外教育支出の割合としては、5千円以上、1万円未満がが一番多くなっています。月5万円以上支出している生徒も3.9%いますが、支出金額があがればあがるほど、得点は高くなっています。中学3年生では、月の支出の割合の一番多いのは、3万円以上、5万円未満、ついで、2万円以上2万5千円未満となっていますが、2万円以上、5万円未満をトータルすると実に41%を占めています。このように見ると、子どもの学力検査というより、親の資金力検査のような様相になってきますが、我が子にどのような成績をとって欲しいか、子どもの将来に対してどれだけ投資できるかという視点から決断を迫られる親にとっては身につまされる問題ですね。