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世界的に見るとどんどんと失われつつある漢字の奥深さを再認識。知ってましたか?漢字のおかげで世界中にブームを巻き起こすアニメ・漫画が発展したことを。

2021年9月21日国語

目次

世界ではどんどん漢字が失われているという事実をご存じですか?

世界の中で、現在漢字を使っている国がどれくらいあるかご存じですか?中国以外では、台湾、シンガポール、マレーシアなどで用いられていますが、シンガポール、マレーシアなど漢民族が多い国以外で、主要な文字として漢字を日常的に使用している国は、日本だけになってしまったそうです。

北朝鮮やベトナムのように以前は用いられいましたが、公式に漢字を廃止してしまった国もありますし、韓国でも1970年代に漢字を廃止する政策を推進したため、現在では漢字を用いられることは少ないそうです。

とはいえ、中国には14億人を超える人が暮らしていますので、漢字を用いる人口としては約15億人にものぼるわけです。これは、1位のラテン語に次ぐ人数と言われており、今後中国が世界経済の中心になってきた時にふたたび、漢字が脚光を浴びるのではないかとひそかに考えています。

そんな漢字って素晴らしい!!ということで、最近夜な夜なYouTubeの漢字クイズを作成しております。難読漢字や読み間違えやすい漢字を確認してもらいたいとの思いで作っておりますが、ちょっとした脳トレや友達同士のクイズにもお使いください。下にリンクを貼っておきます。

加えて、日本でも他国のように、漢字を廃止しようとした過去があったものの、漢字があることのメリットを再確認していただき、もっと漢字を好きになってもらいたいとの思いから、漢字についてのよもやま話を書いてみました。ご笑覧ください。

読み間違いやすい漢字クイズ

日本は今や英語教育まっさかりで、3歳になる我が娘も英会話教室に通い、毎週のようにたん瘤を作って帰ってきます。なぜ英会話で瘤ができるのかは知りませんが。

それはさておき、新しい学習指導要領は、英語教育とプログラミング的思考の導入だけかと思いきや、実はひっそりと国語力の強化を謳っているのをご存じですか。まずは、日本語、国語のベースも固めますよと。そのあと英語、プログラミングねという点で日本語を蔑ろにしているわけではないようです。

蔑ろとは(ないがしろ)と読みますが、軽蔑の蔑ですね。軽蔑とは軽んじてないがしろにするという意味なんですね。ないがしろという音だけを聞くとどういう意味??と思ってしまいますが、漢字を見ると、意味が推測できるのもまた素敵ですね。

日本語は世界の言語と比較してもかなり読みやすいらしい

日本語というのは、世界中の言語と比較しても、かなり読みやすいのが特徴と言われています。日本語読めない!!っていってる諸君はまだまだ研鑽が足りませんよということで漢字クイズやってください。なぜ、読みやすいのかというと、やはり漢字とかなが交じっているおかげだそうです。加えて、漢字自体に意味を伝える力、すなわち「表意力」が備わっているのだとか。


例えば、英語の「anthropology」という言葉をご存じでしょうか。「anthropo」の部分がギリシア語の「人間」を意味しており、それを語源とする単語で、「人類学」という意味だそうです。しかし英語圏の人でこの言葉を知っている人というのはかなり稀なようです。普通の人に「anthropology」といってもあまり通じないらしいのです。

ところが日本語で「人類学」と書くと、その内容や詳細はともかくとして、とりあえず「人間という種について考える学問のことだな」というのは小学生でも見当がつきます。このように漢字には意味を表す力が備わっているのです。

日本のアニメの質が高いのは、日本が漢字を使っているから

話は変わって、現在世界で日本のアニメ、漫画が大ブームを巻き起こしていますが、漫画文化がこんなにもさかになったのは、日本が漢字を使用しているからだと解剖学者の養老孟司氏は述べられています。

漫画の絵と吹き出しは、漢字とルビの関係と同じだと言われます。具体的にどういうことかというと、漫画は絵と吹き出しの言葉で成り立ちます。普通の小説などは文字情報だけなので、書かれている文字から情景を読み手が思い浮かべますが、漫画には言葉だけでなく、絵があります。

絵と言葉で作られる本にはえほんがありますが、えほんの場合その情景の特徴的な部分の絵が一面に描かれ、言葉で説明されます。えほんの絵自体を楽しむ意味合いもありますし、極力短い言葉で絵を補うことが言葉の役割です。

しかし、漫画やアニメはものすごい数の絵が登場します。そして、その絵だけでおおよその意味やストーリーをとらえることができます。そして、吹き出しに書かれるセリフや言葉は絵の音としての役割を果たさせようとしているのです。

この構造が漢字と非常に似ています。たとえば、という字があります。読み方(音)は知っていますか?仮に知らなかったとしたら、「愁」という漢字からどのような印象を受けるでしょうか。秋の下に心ですよね。秋と言えば、食欲の秋、運動会の秋、収穫の秋と楽しいことざんまいですが、一般的なイメージとしては、夏が終わり、もの悲しい季節、哀愁といった言葉もあるように少し喪失感をともなうイメージではないですか?

したがって、「愁」という漢字は、秋というもの悲しい気持ちを表す漢字なのかなという推測がつきます。では読み方(音)は?音読みでは「しゅう」、訓読みでは「うれい」と読みます。愁という字のイメージを持ちながらうれいと言われたら、気持ちはもの悲しくなってきませんか?これが、漢字の持つ力です。日本人にはやはり訓読みの方がその漢字の持つ意味をイメージしやすいですね。そして、漫画は絵でこの意味を伝え、セリフでその感情を増幅させることに成功したため、世界中から愛されるコンテンツへと成長したのではないでしょうか。

これが、タイトルでお伝えした、漢字のおかげで、アニメや漫画が発展したと書いたことの意味です。

そんな漢字も日本から消えそうになったことがありました。

みなさんは、漢字は好きでしょうか?覚えるのが大変。漢字テスト最悪!!と漢字が嫌いだった人もいることでしょう。世界共通語は英語だろう??ならば、日本も英語を公用語にすればいいんじゃない?などという考え方もかつてはあったようです。

歴史上、日本語から漢字が消えてしまいかねない危機が実は、2回あったそうです。1回目は、明治維新の頃、西洋文化文明は絶対的に優位で、非西欧のそれは劣っているという偏った構図のもとに、当時の知識人が、日本の文化の遅れは、複雑な漢字を使う日本語にあると考え、西洋の知識を取り入れて追いつくためには英語にすべきであるという討論がなされたといいます。さきほど述べた考え方ですね。

2回目の危機は、第二次世界大戦で日本が敗れ、米国の支配下に置かれた時、やはり、複雑な漢字文化が知識や経済の進展を遅らせたと考え、漢字を制限して当用漢字を制定したり、文字はローマ字にすることが検討されました。タイプライターも、欧米のものは文字数が少ないため簡単に小型化できるが、日本語のタイプライターは非常に複雑であり、活版印刷でも多くの活字を拾う必要があるため莫大な時間がかかり、これが経済の発展を遅らせたと考えられました。しかし、日本経済の発展は、1970年代になると目覚ましく、漢字文化の影響ではないことが証明され、コンピューター時代になり、日本語ワープロが発展した現在、文字の多寡はほとんど関係なくなりました。

実は便利。漢字は意味が推測できてしまいます。

愁いの部分でも述べたことと重複しますが、漢字は英語と比較しても、一見すれば意味がわかるという特徴がよりわかっていただけるのではないかと思います。

例えば、パソコン、リモコン、エアコンなど、語尾にコンが着く日本語はたくさんありますが、コンの意味を正確にとらえられているでしょうか。パソコンのコンはcomputer、合コンのコンはcompany、生コンのコンはconcrete、マザコンのコンはcomplex、リモコンのコンはcontroller、エアコンのコンはconditionerという具合に、日本語ですべてコンに縮約された言葉にはすべて別の意味が存在し、どういったコンであるかはそれぞれの知識がないと理解できません。一方、漢字では、今、近、昆、根などいくつもコンという文字がありますが、漢字を一見すればその意味はほとんどわかってしまいます。

漢字の作り方にも、水と関係ある文字を氵の付く漢字、汁、江、池などとまとめることができ、体に関係にある文字には月(にくづき)がつくため、胸、脚、肺などを見ても、何か体に関係するのだとうといった推測がつきます。こういったことは英語では見られません。chest、leg、lungそれぞれの意味を知らなければ、推測すらつきません。

これらが日本語や漢字の最大の長所で、英語との違いです。便利ですよね。もっと漢字を大切にしたいですよね。中国語の書物をみて、発音することは難しくても、文字を見るとある程度内容を理解できることがあります。英語は26の文字を組み合わせて作られるため、一見覚えることは少ないように感じますが、日本語のように、文字を見ただけでその意味を理解することができないため、結局記憶量は膨大になります。言葉は漢字から推測できるはずという感覚を小さい時から持っている日本人が英語の単語にアレルギー反応を示すのは、このようなところに原因があるのかもしれません。

すなわち、日本語や漢字は文字自体に意味を含んでいるため、専門書の内容でも理解しやすいが、欧米人は、各専門用語の意味を理解していないと読むのが難しいため、平均的な日本人の頭がよいと言われる一因も、漢字という言葉にあるのではないかと思うのです。

漢字は意味が推測できるばかりに、そのまま放置しておくと大変なことに。

そうだとすると、漢字の意味の正確な意味などを確認したり、記憶してなくても、なんとなく読み方や意味に推測がついてしまうのが、漢字の特徴といえます。したがって、まじめに勉強しなくても、何となく何とかなるといった淡い期待を抱きやすいのも、漢字の特徴です。

しかし、学生がそれを放置すると、テストや入試で痛い目を見ることは明らかです。また、大人になっても漢字の知識があいまいだと、文章に出てきた言葉の意味も正確にわかりませんので、何となく勝手に意味を補って文章を読むことになり、思い違い、勘違いが発生してくることになります。

そのようなことにならないためにも、ゲーム感覚で大丈夫ですから、漢字の意味を推測しながら、たくさんの文字を読む練習をすることは、教養を深めるだけでなく、それ自体が面白いものだと感じていただきたいのです。漢字が好きになれば、その後は漢字検定にチャレンジしてみるなど、漫画文化を育んだ漢字にもっと触れ、楽しんでいきましょう。その一助として、楽しみながら学べる漢字クイズを作成してました。ぜひチャレンジしてみてください。

魚貝編の難読漢字

2021年9月21日国語YouTube,漢字クイズ

Posted by peroparo